医療法人 啓清会

脳腫瘍

脳腫瘍とは

脳に発生する腫瘍のことです。 その場所で最初から生じた原発性脳腫瘍と、体の他の部位のがんが転移してきた転移性腫瘍とに分けられます。原発性脳腫瘍は、脳そのものから発生する腫瘍と、脳を包む膜や脳神経、硬膜などから発生し脳を圧迫するように発育する腫瘍とに大きく分けられています。脳腫瘍は子供からお年寄りまでさまざまな年代に生じます。原発性脳腫瘍も体のほかの部分の腫瘍と同じように、良性、悪性腫瘍に分かれます。脳腫瘍と聞くと「怖い病気」「治らない」「もう助からない」というような怖い印象が強いかと思われます。しかし、正しく診断され治療されれば、治る脳腫瘍はたくさんあります。

頻度

原発性脳腫瘍の発生は人口10万人当たり年間10~12人の頻度と言われています。

症状

脳腫瘍は頭蓋骨の内側に生じるため、ある程度の大きさになると頭蓋骨の内側の圧力が増加することによって、腫瘍の種類に関係なく共通した症状があらわれます。頭が痛い(頭痛)、吐く(嘔吐)、目がかすむ(視力障害)が代表的な症状で、これは頭蓋内圧亢進症状と呼ばれています。特に早朝頭痛と言われるような朝起床時に強い頭痛を訴える場合、食事とは無関係に悪心を伴わずに吐く場合などは、頭蓋内圧亢進が疑われます。 けいれん発作も脳腫瘍の初発症状として重要です。腫瘍がまわりの神経細胞を刺激することによって生じます。大人になってから初めてけいれん発作が生じたら、脳腫瘍を疑う必要があります。頭痛、嘔吐、視力障害、けいれん発作といった一般的な症状に加えて、脳腫瘍の発生した部位の働きが障害されて、麻痺や言葉の障害、性格変化などさまざまな症状が出現してきますが、これらは局所症状と呼ばれます。 局所症状としては半身麻痺、言語障害、視野障害、聴力障害などがあります。

治 療 -当院で行っている治療をご紹介します-

手術治療
全摘出(全部取る)、亜全摘出(ほとんど取る)、部分摘出(少し取る)、生検(わずかに取る)
放射線治療
当院では、定位放射線治療(サイバーナイフ)を行っています。さらに、放射線治療には全脳照射や重粒子照射など多くの治療法があります。
化学療法
抗がん剤治療
腫瘍治療電場療法

電極パッド(アレイ)を頭皮に4枚貼り、低強度の交流電場を脳内に持続的に発生させて脳腫瘍細胞の分裂を阻害する、体への負担の少ない在宅療法です。 初回手術後に膠芽腫と診断されて、初期治療の放射線療法と併用して行われる化学療法(テモゾロミド)が終了した患者様に、維持療法として導入しています。 この治療法の詳しい説明はこちらを参考にしてください。

各種の脳腫瘍について

①髄膜腫

髄膜腫とは脳腫瘍の一つです。脳腫瘍のなかでは比較的ポピュラーな腫瘍です。近年の日本脳腫瘍統計では1位で、脳腫瘍の約20数%をしめる脳腫瘍です。最近は脳ドックの普及により無症状であるにもかかわらず、偶然みつかることも多くなりました。女性に多い腫瘍で、女性ホルモンとの関係も認められています。時に多発することがあります。 髄膜腫はほとんどの場合組織学的には良性です。これはすなわちおとなしいということであり大きくなるスピードが癌などとはちがって遅いということと、転移しないという意味です。まれに急速に大きくなるものも存在し、これらは悪性髄膜腫といわれ、転移することもあります。
髄膜腫の画像

MRI T1

②聴神経腫瘍

この腫瘍は神経を包む細胞から発生する良性の腫瘍で、比較的多く認められるものです。聴神経腫瘍はほとんどが片側だけにできて遺伝したりするものではありませんが、なかには反対側にもできたり、他の神経にも腫瘍ができたり、家族内で遺伝的に発生する場合があります。
聴神経腫瘍の画像

MRI T1造影

MRI B_FFE

③下垂体腺腫

下垂体部に発生する腫瘍性病変として最も一般的なのものが、下垂体腺腫です。下垂体腺腫は下垂体の一部の細胞が腫瘍化したものです。組織学的には良性の腫瘍で、一般的には他の部位に転移したりすることはありません。しかし、非常に稀ですが (約0.1%)、他の脳組織や臓器に転移するものも報告されております。
下垂体腺腫の画像

MRI T1造影

MRI T1-サジタール

MRI T1コロナール

④神経膠腫(しんけいこうしゅ:グリオーマ)

神経膠細胞から発生する腫瘍を神経膠腫と呼びます。
神経膠腫(しんけいこうしゅ:グリオーマ)の画像

MRI-T1造影画像

MRI T1サジタール

MRI T1コロナール

⑤神経膠芽腫(グリオブラストーマ)

神経膠腫(グリオーマ)の中でも悪性の腫瘍とされています。
神経膠芽腫(グリオブラストーマ)の画像

MRI-T1造影画像

MRI T1サジタール

MRI T1コロナール

⑥転移性脳腫瘍

頭蓋内以外の部位の癌が、脳内を中心に頭蓋内に転移し大きくなってしまったものです。癌になった方の約10%が転移性脳腫瘍を発症するともいわれています。特に、肺癌、乳癌からの転移が多く見られます。症状は大きく2つに分類されます。ひとつは、脳は一定容積の頭蓋骨という入れ物に収まっており、そこに腫瘍という余分なものができたことと、脳の腫れによる脳そのものの大きさの増加により、頭蓋内の圧の上昇をきたし、頭痛・嘔吐や意識障害を生じます。もうひとつは、腫瘍が周辺の脳組織を直接損傷し、それに伴う神経障害が出現します。
転移性脳腫瘍の画像
MRI-T1造影画像

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