三叉神経痛とは
三叉神経痛とは顔に痛みのでる病気です。顔の感覚(いたい、さわった、つめたい、あついなど)を脳に伝える神経が三叉神経ですが、この三叉神経に痛みが起こり、顔に痛みを感じるのが三叉神経痛です。顔面の疼痛のなかで、その強烈な痛さの為に自殺する人さえいると言われています。原因はいろいろありますが、血管や脳腫瘍などが三叉神経を圧迫して起こる三叉神経痛が脳外科の対象になります。
特徴
- “痛み”は顔の右か左、どちらか一方におこります。
- 顔の一部に触れたり、風にあたったりすると鋭い電気の走るような激しい痛みが発作的(2~10秒)に、繰り返し起こります。
- 痛みの部位は上顎部や下顎部が多く、鼻や唇の周りなどを触ることにより激痛が誘発されます。しかも洗顔・歯磨き・ひげ剃り・化粧・食事・会話などにより痛みが誘発されるので、これらの動作を避けるようになります。時には歯科医に抜歯までして貰ったが、全く痛みがひかないということもあります。
- 数か月間で痛みが止まり、再び発生します。
- 一般の痛み止めの薬は効きませんが、“てんかん”の薬のテグレトール(カルパマゼピン)が著効します。
- 季節によって痛みが変動するのも特徴で、11月や2月に痛みがひどくなる方が多いです。
頻度
10万人に4~5人。高齢者や女性に多く、右側に多い傾向があります。
原因
原因はいろいろありますが、血管や脳腫瘍などが三叉神経を圧迫して起こる三叉神経痛が脳外科の対象になります。
診察
火・水・木曜日の午前中の外来を受診してください。
都合により変更する場合もありますので、外来スケジュールで清水暢裕医師をご確認ください。
また、初診の方のみ予約できます→こちら
診断
当院では、高性能MRI装置・高性能ワークステーションを使用して神経と血管・脳幹を3次元で表示することにより非常に高い確率で診断・治療を行えることが可能となっております。
治療 -当院で行っている治療をご紹介します-
- ①テグレトール内服治療【はじめはこの内服治療を行います。】
内服のコツとして、テグレトールの服用は起床時、昼食の1時間前、夕食の1時間前、睡眠の1時間前にしてください。痛みのない場合は服用する必要はありません。これが効かなくなったり、副作用(眠気・薬疹・肝機能障害)の為服用できない場合は、以下の手術を考えます。 - ②神経血管減圧術【手術は全身麻酔で行います。】
手術用顕微鏡を使用して直接神経から血管の圧迫を取ります。耳の後ろを約4~5cm切開し、頭蓋骨に小さな穴をあけます。頭蓋骨と小脳の間から侵入し、三叉神経と圧迫血管を剥離して当たらないように固定します。特に問題がなければ約2~3時間で終了します。当院での過去5年間の手術成績では、98%以上の方が治癒しています。しかし、数%の確率で再発することもあります。手術後一過性に起こるめまい・耳閉感・感染症などは7%です。重度合併症や死亡例はありませんでした。
一般的に合併症がなく2週間での入院治療の場合、3割負担の方で約26万円、2割負担のかたで約17万円となります。(高額療養費制度適応です) - 左三叉神経痛 手術シュミレーション3D動画
- ③定位放射線治療(サイバーナイフ治療)
サイバーナイフ治療について詳細はコチラ三叉神経痛に対する当院での総手術件数
S58年~H29年9月 592件